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男性型脱毛の進行を左右する最大要因は遺伝であり、男性ホルモンです。
前頭部や頭頂部はその男性ホルモンの支配を大きく受けているため、ハゲやすい。
逆に、側頭部や後頭部は男性ホルモンの影響を受けないとされています。
同じように頭皮に生えている毛でも、差があるのはそのためなのです。
男性ホルモンの影響を受けない側頭部や後頭部の毛を帯状に毛根ごと採取して、薄い部分に移し替えるというのが、自毛移植術の基本的な考え方です。
採取した部分は縫合しますので、一本の線条痕となり、頭髪がスカスカになることはありません。
線条痕も頭髪に隠れて、他人にわかることもありません。
また、移植された毛は、採取部分の後頭部の毛が残っている限り、永久的に脱落しません。
後頭部から移植された毛は遺伝的に一生涯生え続ける毛ですから、前頭部や頭頂部に移されても遺伝子は変わらず、後頭部と同じ速さで生え、同じ生命力をもちます。
たとえ引つぱって抜けても、再び毛根部から生えてきます。
もちろん、側頭部や後頭部の毛も、老化現象で最終的に抜けてしまうこともあります。
そうなったら移植した毛も同じ運命ですが、そういう人はきわめて少数で、ほとんどの人は高齢になるまで維持しています。
この、一度植毛すれば一生ものという点が、自毛移植術の最大のメリットとも言えるのです。
手術で頭髪を回復する方法は、一八○○年代初頭から開始され、人間や動物でいくつかの成功例はあったようですが、現在の自毛移植術の原理を発見したのは実は日本人の医師だとか。
一九三九年、皮膚科医であるO田庄一一さんが、頭部にやけどを負った患者に移植手術をしたところ、新しい毛が再生したという報告を日本の医学誌に発表しました。
しかし、脱毛症の治療まではまだ考えが及ばなかったのです。
いつしか忘れ去られたこの発見は、戦後、アメリカの医師、Nーマン・オレントライヒがその研究にあたり、それを男性型脱毛症の治療に発展させ、O田・オレントライヒ法として、一九七○年に学会で発表しました。
これが、外科的治療法の幕開けとなったのです。
最初に治療した患者さんは、三五年を経た今でも、移植した毛が生え続けているそうです。
初期の植毛術は、パンチ・グラフト式と言います。
四ミリ直径のパンチで後頭部からグラフト(移植片)を取り、同じパンチでハゲた頭部に四ミリ大の穴を開けて、そのまま植え込んでいくというもの。
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